PoCからガバナンス実装へ
Profet AI、パートナー企業とともに Agentic AI の企業運用における重要課題にフォーカス
Profet AI、新竹にて「Crossover Talks」を開催
TAISYS Technologies、Zentera Systems、Hewlett Packard Enterprise(HPE)とともに、
Agentic AI 時代におけるセキュリティガバナンスのあり方を議論
Profet AI は今回、HPE、Zentera Systems、TAISYS Technologies と連携し、企業における Agentic AI のセキュリティガバナンスと実運用への展開をテーマに議論を行いました。
【2026年5月16日・新竹】— AI が単なる「質問応答」から、データの読み取り、ツール操作、システム連携、さらには業務実行まで担う AI Agent へと進化する中、企業が直面するセキュリティ課題も新たな局面を迎えています。
従来のサイバーセキュリティは、主にアカウント、エンドポイント、システム境界の保護に重点が置かれていました。一方、Agentic AI の活用が進む現在では、1通のメール、1つのドキュメント、一見問題のない指示文、あるいは過剰な権限を与えられた AI が、不十分な管理下で誤作動を起こすこと自体が、新たなリスク要因となり得ます。
企業にとって重要なのは、もはや AI が「正しく回答できるか」だけではありません。安全に権限を付与できるか、リアルタイムで制御できるか、実行内容を追跡できるか、そして事後監査まで行えるかが、これからの AI 活用における重要な判断基準となっています。
AI が単なる「モデル性能」の競争から、実際の企業オペレーションを支える「運用能力」へと進化する中、企業の関心もまた、「どれほど高機能か」だけではなく、それらの能力をいかに統制可能・管理可能・監査可能な形で業務プロセスへ組み込めるかへと移行しています。
とりわけ、半導体やハイテク製造業をはじめ、機密データや製造ノウハウ、現場起点の重要知見を保有する企業にとって、AI を「使える」状態に留めるのではなく、「安心して運用できる」状態へ引き上げられるかが、次の導入フェーズにおける重要課題となっています。
こうした潮流を受け、Profet AI は今月14日、新竹にて「Crossover Talks Agentic AI セキュリティガバナンス新基準」を開催しました。TAISYS Technologies、Zentera Systems、および Hewlett Packard Enterprise(HPE)と連携し、Agentic AI プラットフォームのガバナンス、アイデンティティ認証、ゼロトラストアーキテクチャ、エンタープライズ向けインフラ基盤といった観点から、企業が Agentic AI を本格運用へ展開するうえで必要となるセキュリティ境界、統制メカニズム、および導入アーキテクチャについて議論を行いました。
Profet AI の共同創業者兼 CEO である黄建豪は、次のように述べました。
「企業が次のフェーズで直面する課題は、もはや単に AI モデルを構築できるかどうかではありません。重要なのは、自社のドメインを起点に、データ・業務プロセス・現場の know-how を、企業固有かつ継続的にガバナンス可能な AI 能力へと転換できるかどうかです。製造業において AI を真にオペレーションへ組み込むためには、最終的に“ガバナンス”“コントロール”“知識継承”へ立ち返る必要があります。」
また黄氏は、台湾や日本といった製造業集積地域では、熟練人材の引退と知識継承の断絶が同時進行で進んでいると指摘しました。企業が現場知見を早期に体系化・蓄積できなければ、今後はプロセス最適化、品質管理、さらには海外拠点を含む横展開において、より大きな課題に直面する可能性が高いとしています。
こうした背景から、Profet AI は「Domain Twin™」の推進を継続しています。人・設備・業務プロセスに分散する know-how を、保存・拡張・再利用可能な AI 資産へ転換し、企業競争力の持続的な基盤として活用できるよう支援しています。
単一ツールからガバナンスアーキテクチャへ
― Agentic AI 導入で問われる企業の統制力
Profet AI CEO 特別補佐の楊建洲は、半導体製造装置におけるサイバーセキュリティガバナンスを切り口に講演を行い、AI Agent が企業システム、設備、業務プロセスと本格的に連携し始める中で、企業が向き合うべき課題は、もはや単一のモデルやツールの安全性だけではないと指摘しました。
重要なのは、AI 全体の実行環境が「統制可能」「管理可能」「監査可能」なガバナンス能力を備えているかどうかであると述べています。
AI がデータの読み取り、ツールの呼び出し、システム連携、さらにはタスク実行まで担うようになる中、企業には「誰が指示を出したのか」「どの権限が利用されたのか」「どのシステムへアクセスしたのか」、そしてその一連のプロセスを完全に追跡・監査できる体制が求められます。
楊氏は、半導体業界の装置セキュリティ規格である SEMI E187 が掲げる「Security by Design(設計段階からのセキュリティ)」の考え方についても言及しました。これは、装置セキュリティ、アイデンティティ認証、ネットワーク分離、操作監査に対する業界の高い要求水準を反映するものだと説明しています。
Agentic AI 時代において企業が考慮すべきなのは、装置単体の安全性ではなく、装置層・ネットワーク層・プラットフォーム層・認証層にまたがる統合的なガバナンスアーキテクチャをいかに構築するかです。
もし統一された認証基盤、権限管理、監査メカニズムが欠如していれば、本来は業務効率化を目的として導入された AI ツールが、情報漏えい、誤操作、権限濫用といった新たなリスク要因へ転化する可能性もあると警鐘を鳴らしました。
また、プラットフォームガバナンスの観点について楊氏は、社内 AI ツール、エッジ AI、Agentic AI ツールの急増により、課題は「単一の AI Agent が高性能かどうか」ではなくなっていると説明しました。
今後は、モデル、ツール、知識、権限、実行ログを一元管理できる統合管理プラットフォームを企業が保有しているかどうかが重要になるとしています。
企業は、どの AI Agent が稼働しているのか、どのシステムへ接続しているのか、どのデータやツールを利用しているのかを把握すると同時に、外部から導入されるスキルモジュールについても、安全性検証を経たもののみを利用できる体制を整える必要があります。これにより、重要な知的資産や業務プロセスが制御不能な領域へ流出するリスクを防ぐことができます。
アイデンティティからネットワークまで
― Agentic AI におけるガバナンスギャップを埋めるために
アイデンティティ認証の観点から、TAISYS Technologies の研究開発マネージャーである吳金璋は、AI Agent がユーザーに代わってシステムへアクセスし、タスク実行や取引処理まで担うようになる中、企業には「人」と「Agent」のアイデンティティを明確に区別する仕組みが必要になると指摘しました。
あわせて、人間による最終確認を組み込む「Human-in-the-Loop」型の認可プロセスを構築する重要性についても言及しました。
通信ネットワークおよび SIM セキュリティを基盤とした認証メカニズムを活用することで、AI が重要な操作を実行する前に、人による最終承認ポイントを維持できるようになります。これにより、誤判断や権限逸脱による実行リスクの低減につながると説明しています。
ネットワークガバナンスの観点から、Zentera Systems 台湾カントリーマネージャーの蔡穎碩は次のように述べた。
「AI が単なる支援ツールから“デジタルワーカー”へと進化する中、企業は機能性だけでなく、隔離・検知・トレーサビリティを含めた統制能力を備える必要があります。制御可能なネットワークガバナンスアーキテクチャを構築してこそ、企業は Agentic AI を推進しながら、逸脱行動や未認可アクセスによるリスクを抑制することができます。」
インフラストラクチャの観点から、HPE コンピュート&デジタルセールス事業部 副総経理の胡金雲は、Agentic AI が徐々に企業オペレーションへ組み込まれていく中、企業はアプリケーション機能やガバナンスだけでなく、その背後にある計算資源、導入アーキテクチャ、運用管理モデルについても包括的に検討する必要があると述べました。
特にハイテク製造業においては、プラットフォーム、ネットワーク、インフラの各レイヤーが相互連携可能な基盤として設計されてはじめて、AI 活用を安定的かつ管理可能な長期運用へ発展させることができるとしています。
また、Profet AI グローバルセールスゼネラルマネージャーの余常任は、「Integration Wins(統合こそ競争力)」というキーワードをもってイベントを総括しました。
企業が Agentic AI を導入する際に重要なのは、単一ツール単位で評価することではなく、アイデンティティ、プラットフォーム、ネットワーク、インフラまでを横断した統合アーキテクチャを構築することだと強調しています。
製造業における論点は、もはや「AI を導入するかどうか」ではなく、「いかに成熟したガバナンス能力によって、AI を PoC の段階から実運用・意思決定プロセスへ移行させるか」に移っています。
Agentic AI の次なるフェーズは、単に Agent の数を増やすことではありません。アプリケーション推進と並行して、管理可能・再利用可能・継続的に進化可能なガバナンス基盤を構築することが求められています。
アイデンティティ、プラットフォーム、ネットワーク、インフラが協調的に機能する統合基盤を整備してこそ、AI は初めて PoC を超え、企業にとって信頼可能なオペレーション能力として定着していきます。
Profet AIについて
Profet AI は 2018 年に設立された、製造業に特化した AI ソフトウェア企業です。現場で培われた経験や領域知識を、蓄積・拡張・継承可能な「Domain Twin™」へと転換することをミッションとしています。
Profet AI は、AutoML および AI Studio を通じて、製造現場の know-how を、ガバナンス可能・拡張可能・持続的に運用可能な AI 能力へと昇華。AI を単発の PoC に留めることなく、生産ライン・工場・地域をまたいだスケーラブルな展開へと導いています。
現在、Profet AI はアジアを中心に 300 社以上の製造企業へサービスを提供しており、電子・半導体・PCB・IC 設計・ディスプレイパネル・先端材料など、幅広い業界で導入が進んでいます。
また、製造業における「制御可能・管理可能・監査可能」な AI 活用基盤の構築にも注力しています。人材の流動によって企業知識が失われることなく、長期的な競争力を支える AI 資産として活用される世界を目指しています。
詳細はこちら:profetai.com